先日、尾道シネマにて「ハッピー☆エンド」という映画を拝見してきました。
この映画は在宅医療に携わる萬田先生や最期を家で過ごすと決めたご本人、ご家族にフォーカスした内容でした。
ある方は「家族が一番のくすり、自分の家が一番のくすり。」
家に戻ってより一層元気になり、余命も延びたと言います。
ある方は「病院で過ごすあのしんどい時間から解放されるなら治療をやめ、家で過ごす方がいいと死を受け入れるのに迷いはなかった。」と言います。
萬田先生はこう言います。
「死に向かい、ソフトランディング(飛行機のようにゆっくりと降下して着地)出来る事が一番穏やかな死。その人がゆっくりと着地に向かって準備しているのに延命したり、家族の「もう少しだけでも頑張って生きて」の声で再度無理に引っ張られながら高度を引き上げる。そうするとそのうち力尽きてしまい、その後は着地ではなく墜落する。」
作中では、ご家族の葛藤が描かれていました。
長女さんは「苦しい時間が延びるだけなら、短くても充実した最期を送れた方がいい。」
次女さんは「少しでも長く生きてほしい、諦めてほしくない。」
様々な思いが交錯する中、最終的には後悔のない最期をご本人、ご家族ともに迎える事ができていました。どんな死の形が正解なのか、どれだけ考えてもそこに答えはないんだと思います。
萬田先生は「癌という病気は悪い病気に思うかもしれないけど、癌はみんなのお別れの時間を作ってくれる良い病気なんだよ。」と言います。
実際、先生は本人の意識がしっかりしているうちにご家族とお別れの会を開かれていました。
普段、「ありがとう」を断固として言わないお父さんもその場では、奥様に「ありがとう」と最期に心の底から伝える事ができていました。
私はここで涙を流してしまいました。
死というものを突きつけられ、それを受け入れた方々。もちろんこの映画にも描かれていない、様々な葛藤と日々闘っていたと思います。でも、最期を家で過ごすと決めた先には、確かにとても良い笑顔で亡くなる直前まで笑われている皆様が映っていました。
あおい訪問看護ステーションでは、在宅での看取りも行なっています。ご本人、ご家族様の後悔がないよう充実した最期を送れる支援を心がけ、これからも関わらせて頂けたらと思います。
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