中小企業の皆様にはとても使いやすく好評であった「事業再構築補助金」ですが、一言で言うと「偏った方々が得をし過ぎなんじゃないのか?」と指摘されていました。
その事業再構築補助金ですが、大幅な改良を加えた上で「第12回公募」が決定しました。
【公募期間:令和6年4月23日(火)~ 7月26日(金)】
◆使いやすい:ものづくり補助金のように「革新性」までは求めない。建物に使える。
◆ラストチャンス:次回の第12回公募が最後になる可能性があります。
<大幅改良の概要>
◆◇「コロナ債務を抱える事業者に加点措置」←大変有難い変更です。本当に困っている方に支援が重点的に回ることを期待いたします。
◆◇偏った方々:ゴルフ練習施設やエステ、サウナ。フルーツサンド販売や自動販売機(無人販売)など。
←「採択審査におけるAIでの重複率確認による類似案件排除を強化」を言明。
←「一定期間に特定トピックの申請が集中した場合、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあることから、システム上検知し、審査を厳格化」を言明。
<加藤コメント>
ゴルフ練習施設やエステ、サウナ。フルーツサンド販売や自動販売機(無人販売)以外にも、誰もが参入しやすい事業はこのチェックに引っ掛かる可能性が高いです。
例:喫茶店、キャンプ場など。
こうした事業に取り組む場合は、注意が必要です。まったく採択されないという事は考えられませんが、「なぜこの事業に取り組むのか?勝算はあるのか?(他の類似の事業計画とは何が違うのか?)」などを事業計画書で訴求する必要があります。
厳しい行政事業レビューを受けた今後は、AIを活用して「同じような事業計画書」を選び出して適切に処置するようです(コピペ型事業計画書は採択されない可能性が高い)。今までの事業再構築補助金のノウハウだけでは対応できません。
◆◇難易度上昇:第11回公募の採択率が従来の半分ほどに下がっています(48%から26%へ)。
←「審査厳格化」を言明。
◆◇採択後の交付審査・実績審査用のシステムを刷新
「交付審査」も審査厳格化されます。これは非常に重要です。
<加藤コメント>
「交付審査」とは、「①採択審査」で採択された後に、さらに「②交付審査」が行われます。「②交付審査」の内容は、事業計画書に基づきどのような経費を支出するか(経費が制度の趣旨に合っているか、適正か等)を審査します。
はっきりいって、二度目の審査(テスト)であり「②交付審査」に通らない限り「採択された事業を進めても良い」という決定がされません(勝手に進めるとその経費は対象外となり払ってもらえません)。
「②交付審査」は「交付申請」などと言われることもあり軽視されていますが、上述の通り二度目のテストです。テストする箇所が違いますので(採択審査の段階では見積書を提出していませんので)、採択されたといっても「②交付審査」に通らなければ払ってくれないのです。
ここでつまずくと、「事業をスタートできない」「支出した費用を払ってもらえない」というトラブルに繋がります。
もちろん、私であれば経験豊富ですのでフォローできます。しかし、トラブルの種をまいてしまってから依頼されても対応困難なケースが多いです。
中小企業庁のサイトより
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2024/240423kobo.html
「中小企業等事業再構築促進基金及び事業再構築補助金の抜本的見直しを行った上で本日から第12回公募を実施します」より抜粋
2.抜本的見直しの概要
中小企業庁としては、ポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者やコロナの影響を受けた事業者が一定程度、存在すると考えていることから、以下のような抜本的な見直しを行った上で、第12回公募を実施します。
(1)制度的対応
複雑との指摘もあった支援枠を簡素な形に見直します(6枠⇒3枠)
新型コロナ対策として実施していた特例的措置である事前着手制度は原則廃止します
すべての申請枠においてコロナ債務を抱える事業者に加点措置(一部の申請枠については必須要件化)を講じ、支援を重点化します
(2)事務局審査の改善・体制強化
採択審査におけるAIでの重複率確認による類似案件排除を強化します(閾値の見直しや範囲の拡大により、同じ計画書の使いまわしを防止)
一定期間に特定トピックの申請が集中した場合、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあることから、システム上検知し、審査を厳格化します。また、新分野進出は事業の新規性を公募毎に再検証します
採択後の交付審査・実績審査用のシステムを刷新し、AIを導入するなどして審査を標準化・高度化します
こうした取組を通じて、審査を厳格化します
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