相続・遺言・・・/〇〇のたな卸し
2024/05
いきなりですが、
相続で裁判になる割合が高いのは
・お金持ち
・一般的なご家庭
のうち、どちらだと思いますか?
目次
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Ⅰ.遺産分割で裁判になる9割とは
Ⅱ.相続税がかからなくても相続対策は必要なの?
Ⅲ.遺言書を書く前に
Ⅳ.〇割の日本人は遺言を書かない
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Ⅰ.遺産分割で裁判になる9割とは
「令和4年度司法統計年報」によるとhttps://www.courts.go.jp/app/files/toukei/671/012671.pdf
裁判に発展してしまった約9割は、相続税がかかるかどうかという程度の、それほど遺産の多くないご家庭であるということが読み取れます。
そして、そのうちの約半数は、相続税のかからない遺産総額1千万以下であるという事実。
実家の土地建物や、田畑、預貯金や生命保険金などを合計すると、何だかんだ1千万前後になるご家庭は以外と多いもの。
決して他人ごとでは無いと思われた方も多いのではないでしょうか?
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Ⅱ.相続税がかからなくても相続対策は必要?
では、資産家に裁判例が少ない理由は何なのでしょうか?
それは、元気なうちに
・遺言書をちゃんと用意している
・専門家と相談のうえ相続対策を行っている
などがあげられると思います。
何もしなければ争族に発展することがわかっている。だから、ちゃんと対策するのがあたりまえ。
という認識で万全に対策されているという事なのではないでしょうか?
そして、逆説的に考えて、資産の少ないご家庭で裁判に発展してしまうのは、
「相続税がかかるような金持ちではないので、専門家に相談する必要も無ければ、遺言書も書かなくて良い。」
という思い込みによる対策不足が要因なのかもしれません。
また、うちの子供たちは仲良しだから大丈夫!事前に口頭で伝えてあるから大丈夫!と言われる方も多いのですが、いざ相続が発生すると、裁判にこそならなくとも争族に発展し、わだかまりを残してしまったという話は決して少なくありません。
大人になってからのいざこざは関係修復が難しい。
仲の良かった兄弟姉妹が、遺産分割協議でこじれてしまい縁が途切れてしまうということは本当に残念なこと。
そうならないよう、事前に相続対策しておきたいとは思いませんか?
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Ⅲ.遺言書を書く前に
それでは、争族を防ぐための遺言書について考えてみましょう!
遺言書を書く際に決めなければならない大切なこと。
それは、
・誰に
・どの財産を
・どれだけ遺すのか
ということを、ご家族と話し合って決めておくということ。
そして、その前提として大切なのが、
・誰が相続人なのかを明確にする
・財産目録を作成し総額を把握する
ということです。
財産については、おおよそのことは把握できている方が多いと思います(把握しているつもりの方も多いのですが...。)
しかし、相続人については、実は、明確に理解できている方は意外と少ないように思います。
と聞いて、「自分の身内のことくらい知っている。知らないわけがない」と思われた方、多いですよね?
それを確かめるために、あらためて、ご自身の相続人について考えてみましょう!
①配偶者が亡くなった時、配偶者の兄弟姉妹は相続人になりますか?
②子どもが居ない、又は子どもに先立たれたご夫婦の相続人は誰ですか?
③お孫さんは相続人だと思いますか?
いかがですか?
自信を持って答えられたでしょうか?
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とまどう自分に、わからない自分に、気づき、驚いた方の方が、圧倒的に多いと思います。
でもご安心ください!
この問題に明確に答えられる方はごく少数派。
専門家でも、慎重に調査し考えなければ、うかつに回答することは出来ません。
①と③は、
Yesになることもあれば、Noの場合もあり得ます。
②については、
残された配偶者のみが相続人のように誤解しがちですが、そうとも限りません。
Yes・No、どちらの場合もあり得ます。
誰が相続人なのかは、親、兄弟、配偶者、子供、孫、ご存命かどうかはもちろんですが、亡くなった順番によっても異なります。
そのため、相続人の調査を行う際は、すべての戸籍を取り寄せ、相続関係図を作成し、全容を明らかにする必要があります。
それは、手間がかかるだけでなく、それなりの専門知識が必要になります。
相続人を正しく把握しなければ、せっかく遺言書を用意しても争族に発展する可能性が高まりますので、決して、あなどることの出来ない重要な作業なのです。
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Ⅳ.遺言を書くのは〇割
日本人の生命保険加入率は約8割という調査結果が発表されております。
結構、高い確率だと思いませんか?すごいですよね。
ではその内、遺言書を書く方は、およそ何割くらいだと予想されますか?
答えは・・・
約1割(生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査」より)
ご自身が亡くなった後のご家族の生活を考え、生命保険に加入する意識の高い方々であるにも関わらず、約9割が遺言書を書かない。。。
という相反する調査結果に、皆さまはどの様な感想を持たれましたか?
ほんの数枚の「遺言書」
ですが、よーく考えて決めなければならないことや、収集しなければならない戸籍等、やらなければならないことだらけで、うんざりした気持ちになった方も多いはず。
日々の暮らしと仕事だけで大変なのに、、、
そう思った皆さまのお手伝いをするために、私たち専門職が存在します。
多少の費用はかかりますが、起こり得る不毛な諍いや、そのための費用。時間的、精神的負担を軽減。そして何よりも家族の関係性を守ることが出来るという安心。
となれば、思い立ったが吉日
どうぞ、あなた様のお話をじっくりとお聞かせいただけませんか?