中山道の宿場町である大湫宿の街道に建つ、明治26年築の木造2階建ての建物です。
当時は旅籠屋を兼ねた住宅だったようです。
修理前の建物は雨漏りによる腐朽がかなり進んでおり、床が抜け落ちている部屋も多々ありました。
そんな状態から、大規模修理を行い、見違える様な姿に再生されました。
文化財の修理という事で、部材を一時解体し保管する際に、
どこで使用していたものか分かるように全て「番付け」という札を付けて部材を外していきます。
使用できるものは再使用し、腐朽、破損等によりやむ負えず使用できない材料については取り替えを行いました。
修理するために古材と新材を繋ぐ場合、継手は伝統工法で行っています。
なかなか見えづらい部分なのですが、大工さんの熟練の技は素晴らしいです。
また、建物に使用されている建具も貴重なものなので、できる限り修理を行い、
利用しています。特に入口の大戸は、建物の魅力の一つで、当時の趣を感じます。
修理後は、カフェとして利用される事になっています。
大戸から入ると、落ち着きのある土間が・・・とても良い雰囲気です。
大湫の景色を眺めながら、ティータイムというのは素敵ですね。
建物の魅力を多くの方に味わって頂けたらうれしいです。