ベルトを使用していると左右どちらかに片寄る症状が現れることがあります。
これを「蛇行」と呼びます。蛇行は酷くなると側面にベルトが接触し削れ、ベルトの寿命を縮めます。
どうしてベルトが蛇行するのか?その原因をあげさせて頂きます。
① ベルトの初期伸びによる蛇行
ベルトは表面カバーと帆布、中間層で成型されます。帆布とは縦糸と横糸を織り込んだもので強靭なひっぱり強度を形成します。
ベルトは生産時、この縦糸横糸の織り込まれた部分にスキマが生じています。
これが使用しているうちに伸びてきて、約1~6ヶ月程度で約0.1~0.5%長くなります。
これを「初期伸び」と呼びます。
「初期伸び」は伸びきるとそれ以上伸びることはありませんがこれが原因でベルトが蛇行することがあります。
② ローラー等に異物が付く、コンベヤ本体が老朽化により歪むことで生じる蛇行
例えばコンベヤの頭部分にあるローラーの左側に厚さ1mm程度の異物が付着したとします。
異物に接触しているベルト部分と接触していない部分とではグリップ(ローラーに掛る力)が異なってしまいます。このことで蛇行が生じることがあります。
コンベヤ本体が老朽化し例えばくの字に歪んでも同じ症状になります。
特に駆動部(モーターに直結した)ローラーが原因で生じる蛇行は原因を取り除かない限り直らないこともあります。
③ コンベヤ本体の水平がとれていないことで生じる蛇行
水平がとれていないと、ベルトは蛇行します。特徴として、水平のとれていない部分だけ歪みローラー付近では蛇行していない症状が出ます。
左右ガイドが接触している時も同様の症状が出ます。接触している部分だけが曲がってしまいます。