コラム・用語解説
【コラム】水を軟水にする仕組み、イオン交換って何?
2023/02
前回の記事では軟水のメリットをご紹介しました! 「軟水を使ってみたい!」と思ったら、普段使用しているお水の硬度を測り、硬水であれば“軟水装置”を設置する必要があります。(水の硬度を測る方法については、また別のコラムでご紹介します!) 今回のコラムでは、「軟水装置がどうやって水を軟水にしているのか」をご紹介いたします! そのキーワードは「イオン交換」です。 軟水装置の中にはたくさんの「イオン交換樹脂」(以下「樹脂」)とよばれるものが入っています。 この小さくてつぶつぶとした樹脂が、硬度成分を取り除くカギとなるのです!
軟水にする仕組み、イオン交換とは まず初めに、画像2~3枚目のイオン交換の漫画をご覧いただき、イメージを掴んでみてください。
再生のしくみ ここでお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、イオン交換をした樹脂は、硬度成分を持っています。先ほどの話を思い出してみると、樹脂はナトリウムイオンをもっていて、それをマグネシウムイオンやカルシウムイオンと交換することで軟水を生み出していました。 つまり、イオン交換で軟水をつくる条件は、樹脂がナトリウムイオンを持っていることです。硬度成分のマグネシウムイオンやカルシウムイオンをもったままではイオン交換ができず、硬水を軟水にすることができないのです。 再び軟水をつくるには、軟水にする力を復活させる必要があります!それが再生とよばれる工程です。 再生という工程は、樹脂を塩水(ナトリウムイオン)で洗い流すことです。 樹脂のなかに塩水がはいってくると、樹脂に吸着しているマグネシウムイオン、カルシウムイオンが、塩のナトリウムイオンとイオン交換を行います。 (※軟水を作る際のイオン交換と、逆のイオン交換が起こっています。) こうして、樹脂は再びNa ナトリウムイオンをもつことができ、軟水にする力が復活するのです。 ただし、イオン交換樹脂の寿命は約5年(使用状況にもよる)といわれているので、年数が経ったらイオン交換樹脂自体が劣化してしまい、再生をしても軟水にすることができなくなります。規定年数が経ったら、樹脂の交換を行うことをお勧めします。(再生の仕組みは、画像の4枚目参考)
まとめ 軟水装置という箱の中には、ナトリウムイオンをまとった「イオン交換樹脂」というものがはいっています。この装置の中に硬水を投入すると、樹脂が硬度成分のマグネシウムイオンとカルシウムイオンを吸着して、代わりにナトリウムイオンを放出します。この過程がイオン交換とよばれるもので、軟水になるしくみです。 樹脂に吸着した硬度成分は塩水(ナトリウムイオン)で洗い流すと、再び軟水にする力が復活します。これが再生とよばれる工程です。