2018年の大阪府北部地震によって隣接する土蔵が甚大な被害に遭われ長屋門も地震の影響で瓦がずれるなどの被害がありました。(写真4枚目が施工前の被害の様子)
更にこの年は関西空港が水没した台風21号の影響も少なからずありました。
地震と台風対策を兼ねて、屋根下地に地震の揺れに強い合板を施工。
瓦は以前は土の上に載せる工法でしたが、現在は土ではなく木に留める工法になっていますので、台風でも瓦が飛びにくいです。(写真1,5,6枚目は施工の様子)
また土の重みが無いため屋根が軽くなり以前に比べて地震の影響は軽減されます。
家紋と製造者の銘が刻まれている鬼瓦は、状態の良いものを再利用しています。(写真7,8枚目)
土蔵と接していた土壁は、木部に防腐剤を塗布、防水シートを貼った上に杉の焼板を仕上げに施工しました。(写真3枚目)
長屋門の風合いと西日が当たる壁面ということを考慮して、長持ちする杉の焼板を提案させていただきご採用に到りました。
銅製の雨樋も地震台風の影響で折れ曲がったり年月が経って穴が開いていましたので、黒色の樋を選んでいただき、屋根の軒先の見た目をキュッとしめさせていただきました。
見える部分の木部(破風、軒裏など)は既存の経年変化した木の色に合わせて茶系の塗料(防腐剤入り)で塗装させていただきました。(写真2枚目 施工後の門の全景)