築80年ほどの数寄屋住宅(写真1はこちらのお宅の後庭の蹲踞(つくばい)、写真2は玄関側の前庭)の前庭に面した杉皮の塀と栗(ナグリ加工)の控え柱が傷んできたとのことで、新しいものと入れ替えさせていただきました。(写真3枚目が施工後、写真4,5枚目が施工前)
塀と塀の間の柱の根元も傷んでいたので『根継ぎ』という技法で傷んでいる部分とそうでない部分を大工さんに上手く接合してもらいます。(写真6枚目)
栗の柱の足元は土台となる石の凸凹した形状に合わせて、大工さんが少しずつ加工してピッタリと合わせます。『ひかりつけ』という技法です。(写真7枚目の左下の栗と石の接合部)
杉皮は竹で押えて、日本古来から使われている和釘(鉄を火入れしながら鍛えたもの)で留めています。(写真8枚目)
今回は焼板塀や竹垣などの押えによく使われる替折(かいおれ)釘という釘を使用しています。(写真9枚目)
和釘を始め、数寄屋や社寺建築で使われるこういった金物の取り扱いは京都では室(むろ)金物さんが有名で、JR丹波口駅近くに本社とショールームがあります。
ご興味のある方は是非どうぞ!一般の方でもお買い求めできますよ。