生産工場などモノづくりの現場でDX化が推し進められている昨今、家族経営など小規模な工場では費用や実務の面を考慮するとすぐに取り組むことは難しく、時代に取り残されることを懸念する経営者の声も聞かれます。そんななか、社員9人の精密樹脂加工工場が自らと同じような“町工場”に特化した生産管理システムを開発し、販売をスタートさせたました。
自分たちが必要に迫られ、何年もかけて構築してきたものをベースにしています。生産現場が必要とするものだけに絞り、工場内で働く人が使いやすいように考えました。
このシステムは“マチ工場を丸ごとカン理”する生産管理システムを意味する「マチカン」と名づけられ、小規模な町工場が抱える課題に焦点を当てた独自のアプローチが取られています。とくにバーコード読み取り機能は手袋を外さずに操作でき、作業中のデータ入
力がスムーズです。オンプレミス型で既存のネットワークとの統合が容易であり、セキュリティ面も考慮されています。これにより町工場は自身のネットワーク構成を変更することなくシステムを導入し、機密性を保ったまま業務を遂行できます。
また、町工場ならではの現場の実態を弊社は十分に考慮しており、生産プロセスが効率的に進化させました。これまでの運用事例では受注業務にかかる時間(約143時間/月)を自動化(VBA)でき、その効果は金額換算すると10年間で約1,660万円以上に達すると試算しています。
独自性と現場への柔軟な対応が「マチカン」の大きな特性であり、「町工場の悩みを魔法使いのように解決し、町工場の未来を切り拓く存在になってくれるはず。
小規模事業者が限られたリソースでDXに取り組む上での大きな強みとなります。