◇◇チャイコフスキーの三大バレエ◇◇
『眠れる森の美女』 物語のあらすじ
絢爛豪華なクラシックバレエの最高傑作
妖精の魔法で百年の眠りにつくオーロラ姫を目覚めさせる王子のキス。
華やかな結婚式に訪れた「長靴をはいた猫」「赤ずきん」など、童話の登場人物が夢の舞台をくり広げます。
プロローグ
17世紀のフランスを思わせる王宮。フロレスタン国王夫妻の間にオーロラという姫君が誕生し、洗礼式が行われている。式には6人の妖精たちが招かれており、姫に「優しさ」「勇気」「のんき」などの様々な美質を授ける。最後にリラの精が贈り物をしようとしたとき、悪の妖精カラボスが現れる。
カラボスは自分が祝宴に招かれなかったことに 怒り狂い、「オーロラ姫は16歳の誕生日に、糸車の針に指を刺して死ぬだろう」と呪いをかける。嘆き悲しむ宮廷の人々に、リラの精は「カラボスの呪いを消し去ることはできないが、弱めることはできる。姫は死ぬのではなく眠りにつき、100年後に王子の口づけによって目覚めるだろう」と予言する。
第1幕
オーロラ姫の16歳の誕生日。美しく成長した姫の元には求婚者たちが訪れており、姫は4人の求婚者と踊る。その直後、姫は見知らぬ老婆から花束を受け取り、その中に仕込まれていた糸車の針で指を刺して倒れてしまう。
老婆に変装していたカラボスは正体を現すと、勝ち誇ったように去っていく。そこへリラの精がやってきて、オーロラ姫は予言通りに眠りについたのだと告げる。リラの精は、魔法でその場にいる全員を眠らせるとともに、辺りに植物を茂らせて城全体を包み込む。
第2幕
100年後。デジレ王子の一行が森へ狩りにやってくるが、王子は狩りを楽しめず、物思いに沈んでいる。そこへリラの精が現れ、オーロラ姫の幻影を王子に見せると、王子は姫の美しさの虜となる。
王子はリラの精に導かれて城へ辿り着き、口づけによって姫を目覚めさせる。
第3幕
オーロラ姫とデジレ王子の結婚式が盛大に催されている。式には、宝石の精や、様々な童話の主人公たちが招かれており、長靴をはいた猫と白い猫、赤ずきんと狼、フロリナ王女と青い鳥などがそれぞれ個性的な踊りを披露する。
人々が祝福する中、オーロラ姫とデジレ王子が グラン・パ・ド・ドゥを踊り、物語は幕を閉じる。
演出による違い
『眠れる森の美女』の改訂演出は、プティパによる原振付を尊重したものが多い。
演出によっては一部の場面を削除することがあり、例えば、禁じられた糸紡ぎを隠れて行っていた人々が処罰される場面(第1幕)、狩りの場面(第2幕)、童話の主人公たちの踊りの一部(第3幕)等がなくなることはあるが、全体の構成が大きく変更されることは稀である。