◇◇チャイコフスキーの三大バレエ◇◇
『白鳥の湖』 物語のあらすじ
永遠の愛を描いた不朽の名作
ドイツを舞台に、悪魔の呪いで白鳥に姿を変えられた王女オデットと、王子ジークフリートとの悲恋を描いた物語。
チャイコフスキーのバレエ音楽の代表作としても名高く、踊りと音楽がとけあった美しい見せ場が 数多く楽しめます。
第1幕・第1場
王宮の前庭。王子ジークフリートの成人を祝う宴が開かれており、王子の友人たちが祝福の踊りを踊っている。そこに王子の母親が現れ、明日行われる舞踏会で花嫁を選ぶよう命じる。まだ結婚したくない王子は憂鬱な気分になる。
やがて日が暮れると、白鳥の群れが空を飛んでいくのが見え、王子は白鳥狩りをしようと湖へ向かう。
第1幕・第2場
静かな湖のほとり。弓を構えている王子の目の前で、1羽の白鳥が岸辺に上がり、美しい娘に変身する。王子の姿に気づいた娘は驚き、怯えるが、やがて身の上話を始める。娘の名はオデットといい、とある国の王女だったが、侍女たちと共に悪魔ロットバルトから呪いをかけられてしまった。
そのために昼は白鳥の姿となり、夜だけ人間の姿に戻るのである。
この呪いを解くただ一つの方法は、まだ誰にも愛を誓ったことのない男が、オデットに愛を捧げることである。
2人は惹かれ合い、王子は自分が愛を誓おうと申し出るが、夜明けとともにオデットたちは白鳥の姿に戻り、飛び去って行く。
第2幕
王宮の舞踏会場。ジークフリートの花嫁候補が様々な国から訪れるが、王子は彼女たちには目もくれず、オデットのことを思い続けている。そこへ、客人に変装した悪魔ロットバルトとその娘オディールが現れる。
オディールは悪魔の魔法によって、オデットと瓜二つの姿になっている。オディールをオデットと思い込んだ王子は、その場で結婚の誓いを立ててしまう。
その途端、ロットバルトたちは正体を現し、広間の窓に映る悲しげなオデットの姿を示しながら、王子をあざ笑って去っていく。王子は自分の過ちを悔い、急いでオデットのもとへ向かう。
第3幕
再び湖のほとり。侍女たちのもとへ戻ったオデットは、王子の誓いが破られたことを告げる。 後を追ってきた王子はオデットに赦しを請う。オデットは王子を赦し、2人は湖に身を投げる。2人の愛の力を前にした悪魔は滅び、恋人たちの魂は永遠に結ばれる。
演出による違い
この構成は3幕4場構成になっているが、4幕構成の場合は、第1幕 第1場・第2場がそれぞれ第1幕・第2幕となる。
また、物語の結末も演出により様々である。このあらすじでは、オゼットと王子が命を落とすものの死後の世界で結ばれるが、2人が湖に沈んで終わる悲劇的結末や、悪魔を倒した2人が現世で結ばれるというハッピーエンドもある。